6年半のニューヨーク生活の後、東京で音楽活動経て、ロンドンにて4年住みました。 2児の母


by nanaken4
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

Good Bye For Now

大学時代の恩師が先日亡くなった。
Dr. John L. Motley、
89歳。
デイリーニュースの記事が大きく出るほどの、偉大な音楽家だった。

コーラスのクラスで私を気にいってくれて、教会の聖歌隊で5年間雇ってくれた。
俺はお前のアメリカでの父だ、とよく言ってくれた。
母と祖母がニューヨークに来た時に空港まで迎えに来てくれて、
近所のおばちゃん達とディナーパーティーをしてくれた。
サンクスギビングディナーにも呼んでくれた。
音楽においては、どれだけ教えられたか分からない。
クラスのあとに一人残されて、
知らないジャズの歌を先生のあとをついて歌わされて、
まだ歌い方も知らないような私の声に涙目で興奮してくれて、
お前はスターになるんだ、と言ってくれた。
先生の伴奏と指揮でソロを歌った大学二年の時のコーラスのコンサートが今でも忘れられない。
先生の英語がよく聞き取れなくて、
よく怒鳴られてしょぼくれてた私。
先生に泣いて反抗したこともある。
先生との思い出、特に一緒に歌った思い出が無数にある。

最近、子育ての合間によく先生の事を思っていた。
手紙を書かなきゃ、娘の写真を送らなきゃ、とずっと思っていたのに、
イギリス引越しやら何やらで何もしなかったことを酷く後悔した。
あんなにお世話になったのに。
あんなによくしてくれたのに。
何もお返し出来なかった。
ニューヨークの友人が、少し前に先生が入院していることを教えてくれて、
是非よろしく伝えて欲しいと頼んだけど、
先生に伝わったかな。
天国から見てくれていると信じているけど。

イギリスに来る3日前に祖父が亡くなり、
思いもかけず集まった親戚達に見送られて空港へ旅立った。
まるで祖父が皆を呼んでくれたみたいに。
お葬式にも通夜にも出れない私のために。
祖父にもとてもかわいがってもらったけど、何もお返し出来なかったような気がして、
トイレの神様を聴いてよく泣いていた。

先生もおじいちゃんも
今も私を見守ってくれているに違いないので、私は私のやるべきことをして、愛情を注ぐべき人に愛情を注いで生きていくのだ。
それでいつか会える時がきたら、いっぱいお礼を直接言いたい。
by nanaken4 | 2011-06-02 07:20 | ロンドン生活